無添加書道 / 書道家 遠藤夕幻 ~ mutenkashodo ~

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【連載】譽國光物語-7/お酒が繋ぐ人と人との縁

長らくお付き合いいただきました、譽國光物語も今回の更新で一区切りとなります。
譽國光・土田酒造と書道家・遠藤夕幻との繋がりは、これからも引き続き繋がっていきますし、もっともっと更なる繋がりが起こることと思います。様々な出来事が重なり合い、大きな渦となり、輪が広がっていくことを願ってやみません。

これを機に、譽國光・土田酒造の日本酒をちょっとでも「飲んでみたい」と思っていただければ本望ですし、酒蔵へ直接遊びに行っていただいても良いと思います。^^

なにが “きっかけ” になるかなんていうのは、発信している側とそれを受け取る側とでは、それこそ必ずしも一致するとも限りません。この譽國光物語を書くことによって、ドコかで誰かの何かしらの “きっかけ” になり得ることが、もしもあるとすれば、そんなに嬉しいことはございません。

それでは、最終話『お酒が繋ぐ人と人との縁』を、宜しくお願い致します。

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その日、私は再び群馬県川場村にある『譽國光・土田酒造』の酒蔵の前にいた。
2014年5月3日。晴れ。
酒蔵前では、風にたなびく鯉のぼりが、悠々と青空を泳いでいた。

  譽國光の酒蔵前でたなびく鯉のぼり

この日、譽國光の前で待ち合わせをしていた。
メンバーは、国立教室(なないろハウス)の近くでいつもお世話になっている ジャスミンカフェ のメンバーと、川場村の隣の村、片品村から来るメンバー。総勢11名を待っていた。

わたくし遠藤夕幻が言いだしっぺとなり、国立メンバー&その繋がりの片品村メンバーで、誉国光の酒蔵の見学会を企画したのだ。


譽國光・土田酒造 酒蔵の直売所にて

ジャスミンカフェの責任者、通称「ジャスミンさん」は、大のお酒好き。
私の書いたラベルの日本酒「零」をご馳走したところ、大絶賛。
即、譽國光の見学会に賛同してくれた。

同じくジャスミンカフェで知り合いになった、通称「お仙さん」は、偶然にも川場村の隣村、片品村に古民家や道場を開いている方。隣村から駆けつけてくれて、見学会に参加。

私も合わせて、10名以上で押しかけたにも関わらず、土田社長は、業務を一時中断してくださり対応してくれた。


  譽國光・土田酒造 酒蔵の直売所にて 遠藤夕幻書 「零」

土田社長は、自身のお酒に対する考え方を、私に初めて話してくれた時のように、見学していた皆さんにも語ってくれた。

「日本酒造りは、温度管理や材料のお米や水、こだわることはいくらでもできる。でも私は、最終的に大切なのは、人だと思います。酒は生きものです。だからこそ、それを造る人の出す、波動であったり、気持ちの良いエネルギーがちゃんとお酒にも伝わるんです」と、土田社長は言う。

詳しくは、第2話「“酒蔵は楽しく”」 をご覧いただけると、土田社長の酒造りに対する想いなどを知ってもらえると思う。


譽國光・土田酒造 酒蔵の直売所にて 遠藤夕幻書 「零」&「桜」

こうして、私の友人たちが土田社長と話す機会ができ、日本酒について語り合うことができたことが、なんだか誇らしく思えて、何より嬉しかった。お酒を囲んで、みんな笑顔になれたのだ。^^
ここで、一つの輪が広がって、ご縁が繋がったのだと確信した。本物の日本酒を通じて広がる世界。・・・じつに、素晴らしい。

また、こんな風に売り場に並ぶ、自分が書いたラベルのお酒たち。
直接現場を目にして、改めて「あぁ、このラベルは私が書いたのだな」と実感をした。
感慨深い瞬間だった。


20140503 片品村 「満開の天王桜」 撮影 遠藤夕幻

そして、このGWの時期は、川場村の隣の片品村に在る「天王桜」が満開であった。
ここは、国立での繋がりお仙さんが連れて来てくれた場所なのだ。

わたしが酒蔵までの繋がりをつくり、それをきっかけとして、また別の場所へと繋がっていく。
気持ちの良い繋がり方だった。


20140503 片品村 「田んぼに映る逆さ天王桜」撮影 遠藤夕幻

  「田んぼに映る逆さ天王桜」 撮影:遠藤夕幻


20140503 片品村 「夜の天王桜」撮影 遠藤夕幻

  「ライトアップされた夜の天王桜と三日月」 撮影:遠藤夕幻


こんなにも、素晴らしい桜を見たのは生まれて初めてだった。
逆さの天王桜も見ごたえがあり、感動した。

が、それにも増して夜桜が凄かった。昼間とは打って変わって “妖艶” であった。波打つが如く、ライトアップされ夜風にうごめく様は、神か妖怪か。凄まじい雰囲気と空気感であった。


  20140503 片品村の「天王桜」と譽國光季節限定酒の「桜」 撮影 遠藤夕幻

そして、譽國光物語を締めくくる最後の1枚は、この写真。

『 天王桜と季節限定酒 “桜” 』

酒蔵を見学したのち、天王桜前でお花見。
そして、『桜を見ながら、桜を飲む』 という粋な宴が実現したのだ。

その味は、これまで感じたことがないほど、格別に美味しく感じられた。
気の合う仲間を酒蔵に紹介することができた。それから、その仲間の紹介で、素晴らしい天王桜を見ることができた。ここまででも十分に幸せなことなのに、さらにはその仲間と共に自分の書いたラベルの日本酒で乾杯というわけだ。

『 天王桜を見ながら、桜を飲む 』 この瞬間が、たまらなく幸せだった。

これ以上のない最高の条件が揃い、極上の味を堪能できた。
これもすべては、あの日あの時あの瞬間、土田社長から問い合わせのメールが届いたことから始まったのだ。


初めて、土田社長に声をかけてもらってから、3年以上経っただろうか。
まさか、こんな出来事が起こるとは夢にも思っていなかった。
だが、それは現実となり、こうして一つの区切り、しかもこの上なく幸せな一区切りを迎えることができたのだ。

これを、“感謝” と言わずしてなんと言えば良いのか、私はそれ以上の語彙は持ち合わせていない。 “感謝” 以外の何者でもないのだ。

ただただ、土田社長に。杜氏さんに。酒蔵で働かれている皆さんに。お酒を飲んで美味しいと言ってくれる友人たちに。天王桜に。筆に。ご縁に。すべてに “感謝” である。


ありがとう


最終話
「【譽國光物語】 日本酒が織り成す人と人との物語 」


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【連載】譽國光物語 - 6 / 季節限定の日本酒

四季の日本酒シリーズ。

前回の 【連載】譽國光物語 - 5 / 群馬県川場村の“雪” では、3パターンの“雪”を紹介するカタチで終わっていたが、本日は、実際にラベルとなった完成品を掲載する。

  譽國光・季節限定酒 「雪」 遠藤夕幻 書

冬は、『雪』。

土田社長が選んでくださったのは、第5話で最後に紹介した3枚目の“雪”だった。
にごり酒ということもあり、瓶がうっすらと青味がかった瓶で、真っ白なにごり酒と文字とが、いい具合に一体となり、一つの作品に仕上がったのだ。

「これが、一番 “川場の雪” に見えました」

と、言ってもらえたこと、すっごく嬉しくて安心したのを今でもよく覚えている。
ドコかそこらへんにある雪の雰囲気ではダメなのだ。あくまでも、川場村の雪でなくてはいけない。

一年以上かけて、溜めに溜めて書いた作品が、認めてもらえるというのは、感慨深いものがある。
達成感という言葉で片付けてしまうには、なんだかちょっともの足りないような、そんなえもいわれぬ高揚感というものがあった。

味は、にごり酒ということもあり、クリーミーであり濃い味であった。
ただ、決して口の中で暴れ回るわけでもなく、うるさくもなく、濃い味の料理も、薄い味の料理も、決して損ねることのない上品な味わいであった。きっと、譽國光のにごり酒は、お米の本来の風味も味わえるのだと思う。


 桜 完成品

春は、『桜』。

満開の桜。
花びらの舞い散るように。
そんなイメージで書き上げた。

これは、土田社長から送っていただいたイメージ画像をもとにして、互いのイメージをすり合わせることによって、すんなり書けた作品だった。

瓶は、譽國光・土田酒造のセンスが光る、ピンク色。
『桜』の文字のまわりも、うっすらとピンク味がかっていて、可愛らしい。

味は、香り高く飲みやすい、スッキリとしたものである。
クセがなくスルスルと飲める日本酒なので、「私は日本酒が苦手」という方にも、お勧めの一本である。



*(夏は、現在でも『未定』である。試行錯誤の最中ということで、私はお酒が出来上がるまで、楽しみに待つばかりだ。四季の日本酒が揃う日も近い)



  実 完成品 ブログ用写真

秋は、『実』。

秋のお酒は、たわわに実った果実のような、そんな印象の作品に仕上げた。
秋真っ盛り。食欲の秋。紅葉。・・・などなど、様々なことを想像して書いた。

私の印象としては、土田社長は、「零」の次にこの『実』を褒めてくれた気がしている。
「素人の想像を超えてくる作品で、さすがプロだな、と思いました」と、喜んでくれた。
その言葉が聞けただけで、私はもう十分である。

味やお酒の種類に関しては、土田社長からいただいた説明文があるので、それをそのままご紹介。

【冬に搾ったお酒が、夏を通り越して熟したお酒を、涼しくなった秋にそのまま出すことを酒造業界では “ひやおろし” と呼んでいます。ひやおろしとは、 “お酒そのままの状態(ひや)を出荷(おろす)する” ことから、ひやおろしと言っています。そのため定義としては、タンク貯蔵されている原酒を加熱処理せずそのまま出すお酒です。

今回の『実』も、冬に搾りタンク貯蔵されたものを、そのまま瓶詰めしている原酒でして、つまりは “ひやおろし” です。

日本酒の原酒は通常はアルコール度数が17~20度くらいあります。これですと、度数がきつくて飲めない方もいらっしゃいます。今回の『実』は、原酒だけどアルコール度数が12%というお酒に仕上げています。原酒のうまさを残しつつ、アルコール度数を抑え、より幅広く飲んで頂こうとおもって仕上げております。

酸味と甘みがほどよくありますので、白ワインのようなテイストであります。】


今回、紹介した「四季の日本酒シリーズ」は、期間限定の日本酒であり、通年販売しているものではない。
本年度、季節限定酒が飲めるようになるのは、季節的には秋となり、「実」ということになる。^^

四季折々、季節に合った日本酒が楽しめるという、粋な計らいである。

気になった方は、ぜひチェックしていただければ、と幸いである。^^


譽國光・土田酒造のホームページ

譽國光・酒蔵直売ウェブストア
(*現在、ウェブストアがリニューアル中なようです。季節限定酒は、見ることはできませんが、通年販売している『零』はご購入いただけるようです)


第6話
「【譽國光物語】 四季折々の季節限定酒 」

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【連載】譽國光物語 - 5 / 群馬県川場村の“雪”

私は、雪を知らずに育った。
知ってはいるが、時々東京に降る程度の雪しか知らない。
自慢じゃないが、ウインタースポーツというものを、生まれて一度も経験したことがない。スキーもスノボも。一切やったこともないし、触れたこともなかった。

そんな私への、土田社長からの次なる依頼は、譽國光・土田酒造の「四季シリーズ」のラベル制作であった。季節ごと四季折々に合った “漢字一文字” を日本酒のラベルとして書いていく、といったもの。

春 『桜』
夏 (未定)
秋 『実』
冬 『雪』

と、言った具合に夏は未定であるものの、春・秋・冬は、概ね決まっていた。

桜はもちろん東京でも見たことがあるし、大好きである。 ← 書ける
実りの秋。木の葉が少しずつ紅に染まり、果実はたわわ実っていく感覚。 ← 書ける
雪。あの、白くてベチャベチャしたやつ。 ← すでに書けそうにない・・・

そんな雪に乏しいことがきっかけで、酒蔵のある群馬県川場村を訪ねることにした。
私は、作品を書くときこそフィールドワークが大切だと思っている。
わからないもの、知らないもの、感じたことがないものは、感情移入もできなければ、気合いも入らない。だからこそ、普段飲めないお酒もぶっ倒れるまで飲んで「零」を書き上げるし、作品制作を頼まれれば、できる限りは依頼人とは直接会わせてもらい、必ず一度は打ち合わせをする。「顔の見える仕事」をしたいと常に思っている。

そうして、私は群馬県川場村の “雪” に会いに行った。

 群馬県川場村・雪景色1

 群馬県川場村・雪景色2

 群馬県川場村・雪景色3

 群馬県川場村・雪景色4

川場村の雪は、さらさらふわふわで、懐かしいような温かいような、そんな気がした。
「これが本当の “雪” なのか・・・」と、新鮮な発見があった。

土田社長のご協力もあり、川場村のお宿に宿泊させていただき、その土地で採れた地のモノも食べさせていただき、温泉にも入れた。

そして、その宿ではゆっくりとした時間を過ごすことによって、様々な試みが行えた。

 群馬県川場村・“雪”の試作品

 群馬県川場村・雪で墨を磨る

雪を溶かして磨った墨は、サラサラとした感じで、良く筆に馴染んだ。
とても滑らかに筆運びが可能であった。
優しい色の墨だった。
やはり水がいいと墨の具合もいい、ということが身をもって理解できた。


  群馬県川場村・土田酒造の酒蔵内部にて試作品制作

そして、極めつけは、酒蔵の内部に潜入。
(有り難いことに一般には公開していない蔵の中を見学させてもらった)

杜氏さんたちが働く横で、『雪』(にごり酒)を飲みながら、作品制作をさせてもらった。
筆と硯の横に、白いお猪口が見えるだろうか。
しっかりと、にごり酒を味わいながら、杜氏さんたちの働きを見せていただきながら、そこにいるであろう目には見えない酵母や醗酵の菌たちも感じ、筆を持つことができた。この空気感を忘れないためにも、しっかりと、この身に刻み込もうと、い一筆一筆に力が入った。


これが、2012年の秋~冬にかけての話。


・・・実は、ここまでしたのに、この年は納得できる作品は一枚もできなかった。。。


単純に、悔しかった。


中途半端なまま終わってしまい、結局新しいラベルは冬の時期に間に合わなかった。
せっかく、あんなに土田社長にも杜氏さんたちにも協力してもらったのにも関わらず、書けなかった・・・。

生まれて26年間、ちゃんと雪と触れ合って育ってこなかったせいなのか・・・。なかなか私の中には、“雪”が入ってこなかった。まぁ、何を言っても言い訳である。書けなかったことには変わりない。

・・・このままでは、終われない。


・・・それから、一年後の冬。



  群馬県川場村・“雪”の試作品1(1年後)

  群馬県川場村・“雪”の試作品1(1年後)

再び、“雪” と向き合う。

不思議と一年の歳月をかけて、川場村の “雪” は、私の中に馴染んでいた。

山頂に降った雪が、ゆっくりと時間と距離をかけて、少しずつ少しずつ大地へと染み込み、濾過されて湧いて出てくるかの如く、スルスルと私に染み込んだ “雪” が、私の頭から肩を経て腕へ伝わり、手首や指を伝わって筆まで辿り着き、筆先から湧いて出てくるようだった。

一年前のあの日、川場村を訪れて、雪と触れ合うことは、決して無駄ではなかった。
酒蔵の中で杜氏さんを横目に、寒さに耐えながら、震える手で筆を持ったことが、一年後のこの日に繋がった。


 譽國光・土田酒造 日本酒ラベル 「雪」1 揮毫 遠藤夕幻

 譽國光・土田酒造 日本酒ラベル 「雪」2 揮毫 遠藤夕幻

 譽國光・土田酒造 日本酒ラベル 「雪」3 揮毫 遠藤夕幻
*掲載している画像の複製・転載等、著作権を侵害する行為は一切禁止。


初めて川場村を訪れた2012年から、一年後。

2013年の冬に、ようやくこれら三枚の “雪” が完成した。

一年以上かけて、一つの作品を書いたのは、初めてだった。

あの時の「書けなかった」という悔しい思いを乗り越えて、完成した作品。


もちろん、この三作品のうち、採用されるのは一枚だけだ。
採用されたものだけが、にごり酒『雪』のラベルになる。
さて、土田社長はどの “雪” を選んでくれるのだろうか・・・。


次回、完成品の『雪』とともに、春のお酒『桜』と秋のお酒『実』も掲載予定。
「譽國光物語」残すは、あと2回!(予定)

第5話
「【譽國光物語】三枚の “雪” 」


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【連載】譽國光物語-4 / 味+書+瓶+箱=“作品”

生まれて初めて書いた日本酒のラベル。
「楽しく書いてほしい」という土田社長からのご依頼で、ぶっ倒れるまで飲み、書き上げた「零」の文字。私にとっては、忘れられない大切な作品となった。

作品制作時の一部始終は、前回の第3話に掲載した写真家:林建次氏の写真をご覧いただければと思う。

譽國光×遠藤夕幻×林建次 「零」 共演 20

最高の環境のもと、「零」が書き上がり、私の仕事は一つ落ち着いたこととなる。

もちろん作品が書き上がれば、それを納品することになる。
納品は、いつも緊張する。数をこなしても、慣れるものではない。
自分の分身とも、子どもとも思える大切な作品を、お嫁に出すわけである。
一言では言い表せない、考え深い気持ちになる。

  譽國光・土田酒造 「零」 作品原本

どうか、この子をお願いします・・・と、想い願う。


緊張と不安とが入り混じる中、土田社長から届いた返事は、予想以上に嬉しいものであった。緊張の度合いが高かったせいか、その分の安堵感も相当なものであったことをよく覚えている。

「こうきたか!という、素人では絶対に書けない、一瞬で印象に残る文字」そう土田社長は、言ってくれたこと。
「思わず、嬉しくなってしまいました」
「じーっとみていると、人が笑っているようにみえる」など、そんな感想をいただけたこと、今でもよく覚えている。

そして、社長のオッケーが出たあとは、酒蔵の皆さんにお任せするしかない。
あたりまえだが、酒蔵で働く皆さんの意見や反応もある。お客様の反応の前に、まずはそこで働く方々の意見が重要である。それに、今までの活字のラベルとは装いが大きく変わるのである。新しいことをする、というのはそれだけで大きなエネルギーが必要なのだ。ある程度の心構えもいることであろう。

・・・私は、「良きカタチで話が進むこと」を願うばかりであった。


  譽國光・土田酒造 「零」 完成品

そうして出来上がった“作品”がこちらである。

譽國光・土田酒造の目指したものは、味とラベルと瓶とが一体化した、まさしくそれ一つで “作品” と呼べる、そんな日本酒である。
とことんまで味の追求をしただけにはとどまらず、視覚の部分にまでその探求心を注ぐことにより、“観て楽しみ、味わえる作品” としての日本酒が完成した。

味やラベルだけでなく、瓶やそれを入れる箱にまで、デザイン性を求め、こだわりを持った結果、全く新しい『零』が生まれたのだ。

自分の作品が嫁にいき、このような姿で再会できた。この上なく幸せなことだと思う。譽國光・土田酒造に関わり、まず初めに手掛けた作品が「零」で良かったと、切に思う。

最後に、実は箱にも仕掛けがある。
この箱を三つ、順序良く並べると、大きな“零”が現れる。

  誉れ

こういった演出が、じつに粋である。

譽國光・土田酒造は、この時代に生きるための順応力や感受性に長けた、素晴らしい酒蔵であることは、言うまでもない。


第4話
「【譽國光物語】 『零』 完成品」
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【連載】譽國光物語- 3/酒蔵×書道家×写真家

譽國光・土田酒造 本生原酒 『零』(れい)

土田酒造×林建次×遠藤夕幻 「零」(*ラベル変更前)

零とはゼロの意。
何も手を加えないということ。


通常行われる作業の一切をせず、搾り機から出てきたそのままの姿で瓶詰をした本当の原酒です。加熱処理をしていない為、賞味期限は冷蔵庫にて開栓前は約一か月、開栓後はお早にお飲み下さい。

~零の箱に書いてある文章をそのまま記載~

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土田社長からの依頼は、こうだった。

「遠藤さんには、楽しく書いてほしい」

以上。
初めて書く日本酒のラベル。最重要な最初のオーダーは、すごくシンプルなものだった。
書体も書風も原本の大きさも、何もかもすべて私に任せるという。たった一つだけ、「楽しく書いてほしい」という依頼。こんなに最初の最初から、信頼されての依頼は、嬉しいと同時にプレッシャーでもあった。

土田社長の懐の広さに、ただただ感服するばかりだった。

社長のご厚意に、私は最高の仕事で応えたい。
そう思う気持ちが天や地に通じたのか、ドコかでカチッと歯車がかみ合った。

写真家:林建次

当時馴染のカフェの2周年記念パーティーで出会ったばかりであった。
今度、日本酒のラベルを書くと話すと、その流れで林さんが、「撮るよ」と言ってくれた。
私が『零』を揮毫する際の一部始終を撮影してくださることになったのだ。今から考えると、あんなにも濃厚で濃密な、凝縮された3時間を過ごせたことは、大きな大きな糧となる素晴らしいセッションであった。今後の私自身の書道活動にも大きく影響を与える出来事になるとは、この時はまだ知る由もなかった。

写真家:林建次さんをここで語るのには、あまりにも時間とスペースがなさすぎるので、下記のリンクより直接、林さんの作品を見ていただくことを推奨する。

【オフィスミギ】生きるために人は夢を見る

Life is Documentary office MIGI - Kenji Hayashi

家族の風景

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撮影内容も至ってシンプルだった。
二人で「零」を飲みながら、書く。撮る。
途中で共通の友人を呼び、「零」を振る舞い、みんなで飲みながら、そこで作品を仕上げる。

「楽しく書いてほしい」という社長の依頼に対して、おそらく当時の私ができたであろう最高の環境づくりだったと思う。これ以上ない至高の条件のもと、作品揮毫と写真撮影が始まった。

ここから先は、写真家:林建次氏の写真のみでお送りする。
言葉で説明することは、簡単ではあるのかもしれないが、それは下手をすると蛇足になり兼ねない。やはり、林さんの撮った写真から何かを感じとってもらえれば、本望である。

あの日、あの時、あの瞬間の
熱量 気合 空気 緊張 空間 躍動 間合 会話 笑顔 呼吸・・・

すべては、写真の中にある。

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  譽國光×遠藤夕幻×林建次 「零」 共演 1

譽國光×遠藤夕幻×林建次 「零」 共演 4

  譽國光×遠藤夕幻×林建次 「零」 共演 3

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譽國光×遠藤夕幻×林建次 「零」 共演 21



第3話
「【譽國光物語】 譽國光×遠藤夕幻×林建次」 

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洞爺湖夕幻 トボトボ歩く図