無添加書道 / 書道家 遠藤夕幻 ~ mutenkashodo ~
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【連載】雄勝硯物語 - 10/まだ始まったばかり

当ブログで全10回にわたって掲載してきた「雄勝硯物語」も今回の更新で、ひとまず終了となります。

現状、正直なところ私には、このような弱小の自身のブログで掲載するぐらいしか、被災地の復興支援に関わることができませんでした。ただ、それでも「なにもしないよりはマシ」と思って、私自身が大好きな町・石巻市雄勝町にスポットを当てて、発信し続けております。

この“なにもしないよりはマシ“という些細な活動が、私個人に留まらず、このブログを読んでくださった方、一人でも多くに広まれば良いな・・・と、願ってやみません。そうすれば、被災地のことを“知り”、何かしら“動く”人が、少しずつでも増えるはずです。^^

誰かの考え方や行動を変える、ということは非常に難しいことですが、自分自身の考え方や行動を変えることは、案外簡単にできるはずなんです。きっと、そういう小さな小さな出来事の積み重ねから、大きなことを変えていけるだけの“力”に繋がるのではないでしょうか。

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石巻市雄勝町 Cafe「縁」~EN~ (2013年9月,遠藤夕幻・撮影)

雄勝町のど真ん中あたりに「Cafe 縁 ~EN~」がオープンしたことにより、町の人たちや市外県外から訪れた人が集まる場所ができた。ここのオーナーさんとは、2011年のボランティアの際に大変お世話になり、それからというもの、気さくに話せる仲になった。「縁」を訪れたこの日も、お互い再会を喜び、話をした。


石巻市雄勝町 Cafe「縁」~EN~ 店内 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影)

東京の街中にあってもおかしくないぐらい、お洒落で綺麗な店内。
メープルラテが出てきた一瞬、ここが被災地だということを忘れている自分に驚いた。

Tさんは、こんなことを話してくれた。

「雄勝の皆が、気軽に集まって話せる場所、帰って来れる場所を作りたかった。カフェをオープンして、顔見知りのおばちゃんたちが集まって来て、カフェでくつろぎながら大きな声で笑っているところを見れた。・・・そのとき、なんだかすごくホッしたんだよね。」

そういうTさんもまた、私といろいろな話をしながら、大きな声で笑ってくれた。
嬉しくて、なんだか込み上げてくるものがあったけど、ぐっと堪えて、涙を我慢した。


石巻市雄勝町 水浜地区 「成澤のかき」看板 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影

雄勝町内の水浜地区に行くと、真っ先にこの看板が目に入る。私が書いた字が、東京から数百キロも離れたこの土地で、こんなにも大きな看板として使われているというのは感慨深い。

とてつもなく美味しい牡蠣を、丹精込めて、愛情込めて育てている成澤さんご夫婦。
東北の親戚のおばちゃん、みたいになってくれた。それが、田舎のない私にとってどれだけ嬉しいことか。多くを語る必要もなく、ただただ嬉しい。


石巻市雄勝町 水浜地区周辺 雄勝湾 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影

まるで何事も無かったかのように静かで穏やかな海。「成澤のかき」の新工場の前に広がる海は、ひときわ美しく、碧く深く見えた。

2012年の夏、初めて成澤さんの船に乗せてもらって、牡蠣の養殖場を見せてもらった後に、ご主人が言った言葉を今でもよく覚えている。

「牡蠣は、面白い」

そして、今年の夏、奥さんは私にこんなことを話してくれた。

「ここはいつまで経っても被災‘地’には変わりないけど、そろそろ被災‘者’は卒業かな」

・・・願わくば、このまま何事もなく、成澤さんご夫婦が牡蠣に携われますように。
前向きで、決して弱音を吐かない、元気で明るい成澤さんたちが、私は大好きだから・・・。心の底から、幸せを願う。


石巻市雄勝町 硯職人・遠藤市雄さん工房2 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影)

雄勝町の取り壊されてしまった旧支所の奥のほう。
ひっそりと建つプレハブ小屋が、私の敬愛する硯職人・遠藤市雄さんの工房だ。


石巻市雄勝町 硯職人・遠藤市雄さん工房3 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影)

震災直後には、なにも無かった。硯を彫るための鑿の一本さえ無く、60年以上硯を彫り続けて生きてきた市雄さんが、1年以上硯を彫ることが出来なかったのだ。

それが今年は、どうだろうか。機材が並び、彫りかけの硯が見える。
かっこいい市雄さんが帰ってきた。硯を彫る背中は、誰よりも頼り甲斐のある大きな背中に見える。


石巻市雄勝町 硯職人・遠藤市雄さん工房4 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影)

市雄さんは、私が工房を訪れると、いつも気さくに話してくれ、自身の作品を惜しげもなく見せてくれる。ちなみにこれは、雄勝町の玄昌石を使った、旅館やホテルに置く「ソープ置き」だそうだ。


石巻市雄勝町 硯職人・遠藤市雄さん工房1 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影)

しわくちゃで、年季の入った手。これぞ、職人の手。

「これは、なんだと思う!?」

東北訛りの市雄さんが、これはまだ試作品なんだけどね、と言って私に問いかける。

「なんて言うんだ?・・・そうそう、宝石入れだ。」

アクセサリーを入れる蓋付きの箱。しかも、雄勝の石で出来た、市雄さんが作った物。
なんて贅沢な物なのだろうか!と、思うのは私だけかもしれない。

硯を造る傍ら、市雄さんは依頼を受けた物は何だって作る。それが、プロの職人である。
雄勝の石を使った新たな可能性を垣間見れた。

市雄さん、どんどんその職人の腕を奮ってください!私は、心の中で歓喜した。


石巻市雄勝町 雄勝湾の風景2 (2013年9月,遠藤夕幻・撮影)

これまで、2011年から雄勝町と関わってきて、私が出会った雄勝町の人たちは、こんなにも強く、美しく生きている。悲しい出来事もそれはもう、たくさんあったことだろう。厳しい現実を突きつけられ、眠れない夜をどれだけ過ごしてきただろうか・・・。

それでも、皆、必死になって生きている。
未来に向かって、歩み始めている。

もちろん、個々にペースは違うだろう。だけど、後ずさりしたり、後ろ向きな人はいないように思う。少なくとも、私の知る限りでは・・・。この‘前向き’って、単純なことのように思えて、凄いことだと思うのだ。だから、雄勝に行って皆に会うと、私のほうが元気をもらえる。なんて、凄いことなのだろう。

そう、ようやく始まったのだ。新しい生活が。新しい未来が。


まだ、始まったばかり。


だからこそ、私は応援していきたいし、そこに少しでもいいから関わっていきたい。

雄勝町の皆さん、いつもいつもありがとう。これからも、よろしくお願いします。


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洞爺湖夕幻 トボトボ歩く図

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