無添加書道 / 書道家 遠藤夕幻 ~ mutenkashodo ~

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【連載】譽國光物語 - 2 / “ 酒蔵は楽しく ”

せっかくの譽國光物語なのだが、先にワタクシの話になってしまう。
恐縮ではあるが、譽國光・土田酒造の日本酒の魅力を、より良く伝えるためには必要な話だと思い掲載する。しばし、お付き合いいただきたい。


実は・・・。
私は、お酒が飲めない。

これから日本酒の話をするのに「そこからかっ!」と、なるやもしれない。
だが、哀しいことに事実は事実なのだ。

いや、より正確に言うならば、お酒が飲めないと “ 思い込んでいた ” というほうが、正しいかもしれない。

話は数年前に遡る。
かつて、私は井の頭公園の近くのシェアハウスに3年ほど住んでいたことがある。
当時、ただただお金がなく・・・。実家を出ても、シェアハウスに住むのがやっとだった。
(まぁ、いまでも相変わらず不安定な収入ではあるが、その話は置いておこう)

私は、いわゆる「お酒の弱い人」であった。
誤魔化しながらアルコール類を口にしていた。飲んでいれば、そのうち慣れて人並みに飲めるようになるはず、と思っていた。だが、それは大きな間違いであった。

その日、私はビールとメンチカツをシェアハウスの友人に勧められ、飲み食いしながらラウンジで談笑していた。
しばらくして、自分の身に異変が起きていることに気が付いた。
動悸が激しい。座っているのに、頭がクラクラする。これは、明らかにおかしい。
そう思ってすぐに、トイレに立ち上がったが、息が切れ切れで足元もフラフラで、まともに歩けない。なんとかトイレに辿り着くも、症状は全く回復せず、自分一人ではどうにもできなかった。

自室へ帰ろうと廊下へ出た瞬間、いきなり目の前が真っ暗になった。
次に気が付いたときには、私は廊下にぶっ倒れ、天井を眺めていた。
一瞬真っ暗になったので、きっと気を失ったのだろう。
おそらく、廊下に倒れた衝撃で意識だけは戻ったようだった。

そこへ、ついさっきまで談笑していた友人がやってきた。
私がお酒に弱いのは知っていたので、酔っ払って廊下に寝ているのは冗談、と思ったらしい。私をその場へ残してドコかへ行ってしまった。声が出ない。助けてほしい気持ちでいっぱいだったが、友人を呼び止めることはできなかった。

それから、30分ぐらい経っただろうか。なおも廊下に仰向けに倒れたままの私を発見した友人は、ようやく冗談じゃないことに気が付いてくれた。水を持ってきてくれ、介抱してもらい、その場はなんとか落ち着いた。

まぁ、アルコールはかなり弱いとは思っていたが、まさかそこまでとは自分でも思いもしなかった。こんなことが起きたのもこの時が初めてだった。正直、かなり危ないなと思った。これがトラウマとなり、以後アルコール類全般を飲むこと自体が怖くなってしまった。


前置きがかなり長くなってしまったが、ここからが本題。


その一件のあと、土田酒造より日本酒のラベルの依頼が来た。
もちろん、念願の日本酒のラベルの仕事、飛び上がるほど嬉しかった。
と同時に、「わたしなんかで、大丈夫だろうか……」という一抹の不安も残った。

しかしながら、作品を書くからには、味を知らなくてはならない。
依頼主の日本酒を飲まないわけにはいかなかった。
無論、味がわからないのにそのラベルを書けるわけがない。
ましてや、社長や杜氏さん、酒蔵で働く人たちに全員に失礼だと思った。

そして、 『零』 を飲むこととなる。
(*本生原酒『零』に関して、詳細はこちらから。→ ≪譽国光・オンラインストア≫

  土田酒造×林建次×遠藤夕幻 「零」(*ラベル変更前)
*写真の「零」の字は、依頼当時の旧ラベルです。現在は私の揮毫した作品になってます


・・・・・・結果から言おう。

飲めた。
いや、そんな言い方では失礼に値する。
美味しく飲ませてもらった。
スッキリとしたの飲み心地。味わい深く、鼻に抜ける香りも良い。ほんのり感じる甘さは、優しく柔らかく丸い味。いやぁ~・・・じつに、美味いっ!!

これまで飲んできたアルコール類はすべて、ある一定の量を超えると不快感が全身を襲った。基本的に、ビールもサワーもカクテル系も一缶350mlを一人で全部飲みきることができない。即日即時、頭が痛くなったり、吐き気に苛まれる。だが、『零』は違った。まるで今までの酒類全般の嫌な経験が嘘のように、不快なことは一切感じられなかった。多少顔が赤くなったりしたが、それだけのことだったのだ。

これは、私にとってかなりの衝撃であった。
気絶したことよりも、世の中に“ 美味しく楽しく飲めるお酒がある ” ことのほうが私にとっては大きな衝撃だった。

「こんなに酒に弱い私でも、気持ち良く楽しく飲めるお酒があったのか・・・・・・」

もともとお酒が飲める人にとっては、私の言い方は大袈裟に聞こえるかもしれないが、私にとっては人生観を変えるほどの衝撃だった。これまで生きてきて、回りの皆が楽しそうにお酒を飲んでいても、一人でシラフということは多々あった。お酒が弱いがために、「酔う=不快感」「酒=飲みたくない」ということでしかなかったのに、“ お酒を楽しむ ” ことができたのだ。人生の楽しみ方が、世界が変わった気がした。


土田酒造の日本酒を飲んで、「生まれて初めて、“ 本物の酒 ” を飲んだ」と思った。


(後から調べて分かったことだが、どうやら安いアルコール類には、防腐剤が入っていたり、余計な添加物が入っているそうだ。「合成清酒」という存在も、そのとき初めて知った。合成清酒なんて、まるっきり日本酒ではない。詳しくは、「合成清酒」等で検索してみてほしい。あとは、缶ビールはダメだった。私の体質に全くもって合わなかった)


酒蔵 譽國光 御食事処 「桜」

さて、話は本題に戻る。
初めて土田酒造の酒蔵を訪ねたときに、土田社長とお昼ご飯をご一緒する機会があった。群馬県産の、その土地のものをふんだんに使った釜飯ご膳をいただいた。やはり、酒が美味しく造れるところは、飯も美味いっ!
その際、「実は私、お酒がほとんど飲めなかったんです・・・」とカミングアウトした。

そして、何故?こんなワタクシなんぞでも『零』が美味しく飲めたのか?
(*零は、原酒なのでアルコール度数は19°もある)
やっぱりお水が美味しいから?
それとも、お米?
土田酒造の日本酒造りには、何か特別な秘密が?
と、疑問に思っていたことをすべて土田社長にぶつけてみた。

すると「まずは、水と米。これが良いことに越したことはない」という答えが。
やっぱり、そうか。
と、一人で納得しかけた私だったが、まだ話は続いていた。
土田社長の口からは、譽國光・土田酒造の酒造りの根幹、本質ともいえることを聞くことができた。


「正直、おいしい水とおいしい米というのは、今の時代やろうと思えば、日本全国どこからでも持ってくることができます。では、そうなってくると、いったい何が日本酒の味の決め手になるのか。

  私は、“ 人 ” だと思っています。

杜氏によって、酒蔵に関わるすべての “ 人 ” によって、その味が決まると思うのです」


「 酒は、“ 生きもの ” です。

  だからこそ、私たちのモットーは “ 酒蔵は楽しく ” なんですよ。

人間は、その手助けをするだけ。機械で測ったり、温度を管理したり、数値を持ってきたり、日本酒を造る際の “ データ ” は、いくらでも活用することができます。ですが、実際やってみて、それだけではないことに気が付いた。“ なにかが違うな ” と思ったわけです。まぁ、よく考えれば当然なことですよね。酒は、“ 生きもの ” なんですから。データだけでは、測りきれないのは当たり前でした」


酒は、“ 生きもの ” だと土田社長は教えてくれた。

土田酒造ではできるだけ、醸造中の日本酒の前では、ケンカや叱咤などはしないように、ネガティブなことはできるだけ言わないようにしているという。重要なのは、蔵に関わる人の発するエネルギーであったり、波動であるというのだ。


だからこそ、 “ 酒蔵は楽しく ”。

人にも酒にも “ 楽しんで ” もらう。
そうすれば、自然と美味くなる。
つまりは、そういうことなのだ。

“ 生きもの ” だからこそ、“ 楽しさ ” が必要なのだ。

酒蔵に関わるすべての人たちの “ 楽しい ” という気持ちが、譽國光・土田酒造の日本酒の味や品質を支えていたのだ。そりゃあ、美味しいわけだ。
身体にも優しいわけだ。
私でも、美味しく、気持ち良く、楽しく、飲めるわけだ。

土田社長から、この話を聞いたとき、なんだかとても清々しい気持ちになった。
そして・・・・・・これが、これこそが、“ 本物 ” の仕事なのだと、心に刻み込んだ。

本物とは・・・
“本来そう在るべき物” であり、“本当に大切な物” のことを言うのではないだろうか。

そういった意味合いからも、土田酒造の日本酒こそ、 “ 本物 ” であると、私は思う。


第2話
「【譽国光物語】私たちのモットーは “ 酒蔵は楽しく ”」

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